今年も寒い季節がやってきました。朝の冷え込みが堪えて、なかなか布団から出られない人も多いのではないでしょうか。そもそも、なぜ冬は寒いのでしょう。それは、地球の自転軸が公転面に対して傾いていることが関係しています。
北半球に位置する日本では、上の図のように夏の時期は太陽に近づき冬の時期は太陽から遠ざかります。この違いが、昼間〈日の出から日没までの間〉の長さや太陽の高さに変化をもたらします。
天体が真南にくることを南中といいますが、日本では、毎年11月上旬から1月下旬にかけて、太陽の南中高度が40度以下となります。7月の南中高度が70度を超えることを考えると、冬の太陽がいかに低い位置にあるかわかります。太陽の高さが低くなると、地面が太陽から受け取る時間あたりのエネルギー量が小さくなります。その結果、気温の上昇が抑制され、寒くなるのです。
ワンポイント ためしに、手のひらを上に向けて地面に見立てて、そこにドライヤーの温風をあててみましょう。温風を真上〈高い位置〉からあてるよりも斜め〈低い位置〉からあてる方が、手のひらは熱くなりにくいはずです。 |
ちなみに、太陽の南中高度が最も低くなる日を冬至といい、2022年は12月22日です。冬至は、一年で昼間の長さが最も短い日としても知られています。意外に思われるかもしれませんが、一年で日没が最も早いのは冬至の前、本州ではおおむね12月上旬です。昼間の長さは、日没時刻だけでなく日の出時刻にも左右されるので、日没の早さと昼間の長さは必ずしも連動しません。12月上旬は、太陽が早く沈むために、寒さをより一層感じやすい時期です。
日本では、江戸時代から、冬至にカボチャを食べると風邪を引かないという言い伝えがありますが、そもそもカボチャは栄養豊富で貯蔵性に優れているため、冬に食べられる数少ない野菜の一つとして重宝されていたそうです。12月は、カボチャを食べて厳しい寒さを乗り越えてみてはいかがでしょうか。
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