【導入事例】大阪教育大学附属天王寺小学校

  • ブリタニカ・ジャパン

 

今回ご紹介する大阪教育大学附属天王寺小学校では、先進的な教育を推進しています。教育実習の実施や大学での教育研究にも貢献し、国の教育研究機関としての役割を担っています。

取材させていただいた授業は、小学校5年生社会「自動車生産の盛んな地域」。

授業導入、加藤先生が大きく書き出したのは「8678446」という数字。児童からは「単位はなんですか?」「人数?」「円じゃない?」と賑やかに声が飛び交います。

「正解は台。2023年に日本で販売された自動車の数です」と児童の興味をぐっと引きつけます。

 

授業は児童主体。「なぜ中京工業地帯に自動車産業が集中しているんだろうね?」「海沿いだとどうして発達するの?」と先生はあくまでもファシリテーターとして、次々に質問を投げかけていきます。

児童は『ブリタニカ・スクールエディション』をはじめ、デジタル教科書やGoogleマップなど各自の端末で自在に使い、こう思った、こうじゃないか?と手をあげて意見を活発に出し、児童自ら次の発言者を指名していきます。

授業を通して一貫しているのは、「正しい情報源」から得た知識を共有しあっていること。児童は、『ブリタニカ・スクールエディション』の記述をファクトとして、考えを積み上げます。曖昧なインターネット検索から意見を言う場面はほぼありません。

クラスが一つになって、一人一人の調べ学習から、大きなまとめが作り上げられていきます。

授業終盤、世界の自動車生産企業トップ10を先生がランキング形式で発表。一位は日本企業!と児童の盛り上がりは最高潮に達し、共有の振り返りシートを記入して授業は終了します。

先生が一方的に知識を与えるのではなく、児童の声を引き出すことに徹底し、その手助けとなる「正しい情報」を自由に使わせる。加藤先生の手腕と、児童と先生の信頼関係が垣間見える45分間でした。

 

そして、先端教育を実施する中で直面する具体的な課題について、『ブリタニカ・スクールエディション』がどのように貢献しているのか、そして児童にとって必要な教育とは何かを、加藤先生自ら、授業の様子を交えてお話いただきました。

教科書には載っていない確かな情報から、児童の興味関心を引き出す

ーー 今日の授業ですが、自動車工業に関する1コマ目でした。今日の授業のポイントと、 『ブリタニカ・スクールエディション』が果たす役割についてお聞かせください。

日本の産業の概要を学ぶ際には非常に役立ちます。前回は中京工業地帯や京浜工業地帯、阪神工業地帯の学習があり、その時は 『ブリタニカ・スクールエディション』をうまく活用できました。今日の授業では自動車工業の大枠を扱い、地名や場所についてさらに詳しく調べたり、自分の疑問を解決するために 『ブリタニカ・スクールエディション』を使うことで学びを深めることができました。

ーー 『ブリタニカ・スクールエディション』を使用して2年が経ちましたが、導入前と後で何か変化はありましたか?

『ブリタニカ・スクールエディション』と出会う前の3年前は5年生の担任をしていて、Chromebookは持っていましたが、インターネット検索を使って調べ物をしていたので、情報の信頼性に不安がありました。そのため、授業中に自由に調べさせることは控えていました。

しかし、6年生を担当していた際に 『ブリタニカ・スクールエディション』が導入され、歴史上の人物を調べる社会科の授業で活用し、非常に使いやすいと感じました。例えば、雪舟の授業では「(雪舟は)涙でネズミの絵を描いた」と話題が出て、教科書には載っていない情報で盛り上がりました。

児童が自然に、情報リテラシーの重要性を理解することで成り立つ授業

ーー 『ブリタニカ・スクールエディション』を採用してからの児童の反応や先生の感想はどうですか?

Chromebookを使う際、情報リテラシーの重要性を常に感じていましたが、 『ブリタニカ・スクールエディション』は信頼性の高い情報を提供してくれるので安心して使用できます。

ーー 『ブリタニカ・スクールエディション』を使いやすいと感じていますか?

はい。 『ブリタニカ・スクールエディション』は百科事典なので、子どもたちには語句を調べるために使うよう指導しています。インターネット検索とは異なり、 『ブリタニカ・スクールエディション』はより信頼性の高い情報源であることを教えています。その結果、子どもたちはインターネット検索との違いを理解していますし、今はインターネット検索より 『ブリタニカ・スクールエディション』が使いやすいと感じていると思います。

適切なルールの中でICTを活用する環境

ーー 主にどのような学習で 『ブリタニカ・スクールエディション』を活用していますか?

産業学習や歴史学習などで 『ブリタニカ・スクールエディション』を活用しています。例えば、今日の授業でも、京浜工業地帯や太平洋ベルトについて調べていた児童がいました。地域学習では市レベルの情報が詳しく載っていない場合もありますが、授業によっては十分に役立っています。

ーー 授業での端末の使い方について、どのように意識付けをしていますか?

適切なルールに則りながら、子ども達の興味関心に合わせて自由に使うことができるよう意識しています。

ーー 『ブリタニカ・スクールエディション』がその中でどのように役立っていますか?

インターネット検索だとすぐに答えが出てしまいますが、 『ブリタニカ・スクールエディション』は情報の背景を理解し、自分で考える機会を提供してくれます。今日の授業でも、ある児童が豊田市とみよし市の人口を比較し、人口が産業に与える影響を考えるなど、自ら考える力を育てる場面が見られました。

ーー 夏休みの課題に 『ブリタニカ・スクールエディション』は活用されましたか?

夏休みに入る前に、保護者向けに「自宅でも 『ブリタニカ・スクールエディション』を使えます」と告知しましたが、保護者から使い方の問い合わせがありました。ホームページにも掲載していますが、まだ十分に使われていなかったかと思います。ただ、これをきっかけに今は自宅でもたくさん活用してもらえるようになったと感じています。

ーー 最後にこのインタビューを読んでくださった先生方にひと言お願いします。

これからの授業では、子どもたちが自ら資料や情報を集め、それを基に考える力を育てることがますます重要になると感じています。そうした中で、情報リテラシーの向上が不可欠です。 『ブリタニカ・スクールエディション』はその力を養うための有用なツールであり、さまざまな場面で役立つと考えています。ぜひ、このようなツールを活用して、子どもたちに「確かな情報とは何か」を伝えていってください。


ブリタニカ・スクールエディションは、小学校、中学校など教育機関で利用されているオンライン百科事典です。