2018年7月、アメリカ合衆国のコーヒーチェーン、スターバックスが、2020年までに世界中の全店舗で、プラスチック製の使い捨てストローの使用を廃止すると発表しました。マクドナルドも一部の国でプラスチック製から紙製のストローに切り替える計画を発表しています。ヨーロッパ連合(EU)も使い捨てプラスチック製品の規制に動き出しました。
なぜか。それは、深刻化する「プラスチック汚染(plastic pollution)」が関係しています。
毎年1200万tも海に不法投棄
私たちの生活になくてはならないプラスチック製品ですが、ほかのごみに比べて不法投棄の多さが世界中で問題になっています。ある調査では毎年400万~1200万tという膨大なプラスチックが、海に投棄されていると報告されています。
しかも、やっかいなのは、プラスチックは日光などによって劣化し、細かい粒子となって海を漂うため、小さなプランクトンの体内にさえ取り込まれてしまうのです。そのうえプラスチックの微粒子は汚染物質を吸着しやすく、飲み込んだ生物の体の中に汚染物質とともにたまっていきます。
2014年のある調査では、世界の海に浮かぶプラスチック微粒子は5兆2500億以上にのぼり、重量は24万4000tに達していると報告されています。
特にストローやペットボトルキャップ、パッケージの袋などのリサイクル(recycling)率が低いとされており、そのため、使い捨てプラスチックの一部使用をとりやめるよう、世界中で規制が検討されているのです。
小さなプラスチック製品であっても適切に分別することが大切ですね。
環境省が、海岸などにある漂着ごみ、海面に浮遊する漂流ごみ、海底に堆積するごみ(海底ごみ)、マイクロプラスチック等に関して調査を行い、結果を発表しています。平成28年度海洋ごみ調査の結果について (調査PDF)
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