調べ学習に便利なインターネット!誤情報・偽情報の見極め方を伝えよう

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調べ学習で利用する情報源は時代とともに変化し、小学校・中学校の段階からインターネットを利用するケースも増えてきました。必要な情報が素早く手に入るインターネットは便利ですが、調べ学習におけるいくつかの注意点があります。特に用心が必要な誤情報・偽情報の見極め方を中心に詳しく解説しましょう。

調べ学習とは

調べ学習とは、自分自身で決めた課題・テーマについて調べ、結果を報告したり、発表したりする学習です。2000年代以降の「総合的な学習の時間」で取り入れられ、2022年からはより生徒が主体性を持つ「総合的な探究の時間」へと移行しています。

調べ学習にインターネットを利用する3つのメリット

調べ学習にインターネットを利用するメリットは以下の3点です。

<調べ学習にインターネットを利用する3つのメリット>
・効率的に調べられる
・調べた内容をメモしておきやすい
・基本的に無料で情報を集められる

それぞれをわかりやすく解説します。

効率的に調べられる

検索したいキーワードを入力するだけで、効率よく必要な情報を取得できることがインターネットのメリットです。資料選びや図鑑選びに手間をかける必要がなく、辞書を引くなどの手間もかからないため、調べ学習自体や発表にかける時間を増やせます。

また、図書室や図書館を利用する場合に生じるデメリットも解消できます。欲しい資料が「貸し出し中」で閲覧できないといった問題がインターネットでは起こりません。返却されるまで待ったり、回し読みをしたりせずに済むことも、学習の効率化につながります。

調べた内容をメモしておきやすい

調べた内容をメモ帳にコピペして保存したり、情報源として活用したいWebサイトをブックマークしたりといった便利な機能を活用できます。アナログな方法で資料を整理する場合と違い、大量の書籍の運搬に苦労したり、ふせんをつけるなどの地道な作業を強いられたりすることがありません。

基本的に無料で情報を集められる

通信料や端末代はかかりますが、インターネットそのものは基本的に無料で利用できます。一部Webサイトは有料化されているものの、質の高い情報を集められる無料のWebサイトが大半です。費用の負担なくさまざまな情報を検索できるため、生徒の個性や学習意欲を引き出しやすくなります。

調べ学習にインターネットを利用する際の5つの注意点

インターネットは調べ学習においてとても便利ですが、以下の5点には注意しなければなりません。

<調べ学習にインターネットを利用する際の5つの注意点>
・情報の信憑性・正確性を見極める
・ID・パスワードをしっかり管理する
・コンピューターウイルスに気をつける
・個人情報の扱いに気をつける
・掲示板などへの書き込みに気をつける

それぞれを詳しく解説します。

情報の信憑性・正確性を見極める

インターネットには多くの誤情報が紛れています。なかには偽情報を掲載する悪質なWebサイトもあり、すべての情報を鵜のみにはできません。調査した情報が本当に正確なのかどうかを確認するために、生徒・先生の双方でファクトチェックが必要です。

ID・パスワードをしっかり管理する

IDとパスワードは個人を特定するための重要な情報です。ずさんな管理の結果、IDやパスワードを流出させてしまうと、データの書き換えや削除などの攻撃を受ける可能性があります。実名や住所、クレジットカード番号などが流出するおそれもあるため、IDとパスワードは厳重に管理しましょう。

コンピューターウイルスに気をつける

悪質なWebサイトにアクセスしたり、危険なファイルをダウンロードしたりすると、仕込まれていたコンピューターウイルスによってPCやタブレットを破壊されるおそれがあります。スパイウェアにより個人情報が流出するケースも見受けられるため、有害サイトを除外するための対策を講じましょう。

個人情報の扱いに気をつける

インターネット上に住所や氏名、電話番号、メールアドレスなどの個人情報を書き込まないように注意しましょう。また、顔写真の公開も避けたほうが賢明です。些細な出来事がきっかけで個人を特定されるリスクがありますし、一度出回った情報をインターネット上から削除することはまずできません。

個人情報がインターネット上に広まると、誹謗中傷などの被害を受けたり、迷惑メールを送信されたりなどの被害を受けるかもしれません。最悪の場合やストーカーや詐欺といった重大な犯罪の被害に遭う可能性もあるため、充分な注意が必要です。

掲示板などへの書き込みに気をつける

掲示板やSNSは気軽に利用できることもあり、つい個人情報を書き込んでしまいがちです。特にSNSは一般的なWebサイトと比べて拡散されるスピードも速いため、使い方には細心の注意を払わなければなりません。誹謗中傷については加害者にもなりやすく、ネットリテラシーの教育が必要です。

インターネット上の誤情報・偽情報の見極め方

インターネット上の誤情報・偽情報は以下の方法で見極めましょう。

<インターネット上の誤情報・偽情報の見極め方>
・発信元を確認する
・他メディアの情報も確認する
・文章表現に注意する

それぞれわかりやすく解説します。

発信元を確認する

まずは情報を誰が発信しているのか、発信元は信頼できる情報源なのかを確認します。新聞社やテレビなどの大手メディアが情報源の場合、一定の信憑性はあると考えて良いでしょう。反対にあまり信頼できないのは、誰が流しているかわからない情報や、「〇〇らしい」といった表現があいまいな情報です。

他メディアの情報も確認する

1つのメディアが発信する情報だけでなく、他のメディアも同様の情報を発信しているかどうか確認しましょう。多くのメディアが同時に報じている場合は信憑性が高くなります。また、1つの話題から複数の見解に触れることにより、多様性を学ぶきっかけが生み出せます。

文章表現に注意する

見出しや本文に「?」「?!」といった表現が使われている場合は、噂レベルの情報と考えるべきでしょう。また、断定的なタイトルの記事だとしても、本文をよく読むと「かもしれない」などの表現で結ばれている可能性もあります。このような記事も信憑性に乏しく、注意が必要です。

まとめ

調べ学習にはインターネットを利用すると便利です。書籍等を利用するよりも効率的で、インターネットならではの機能を活用でき、さらに基本的には完全無料である点もメリットでしょう。ただし、情報に信憑性があるかどうかなどの確認が必要になります。

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