SDGsを調べ学習のテーマに!持続可能な開発目標について学ぶメリットとは

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ビジネスの世界でも頻繁に耳にする「SDGs」は、今や小学校低学年の学習テーマにも設定されています。そもそもSDGsとはどのようなもので、小学校・中学校の教育に取り入れるとどのようなメリットがあるのでしょうか。学年ごとのテーマ例や、調べ学習の進め方について詳しく解説します。

SDGsとは

SDGsは以下の17項目で構成されています。

<SDGsの項目リスト>
1.貧困をなくそう
2.飢餓をゼロに
3.すべての人に健康と福祉を
4.質の高い教育をみんなに
5.ジェンダー平等を実現しよう
6.安全な水とトイレを世界中に
7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
8.働きがいも経済成長も
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう
16.平和と公平をすべての人に
17.パートナーシップで目標を達成しよう

SDGsの17の目標は「5つのP」を具現化したもの

SDGsの目標を突き詰めると、以下5つのPを具現化したものと捉えられます。

<SDGsの5つのP>
・People(人間)
・Prosperity(繁栄)
・Planet(地球)
・Peace(平和)
・Partnership(パートナーシップ)

SDGsを調べ学習のテーマに設定するメリット

SDGsの目標には「質の高い教育をみんなに」に代表される子ども関連の課題も含まれています。生徒が自分のこととして捉えやすいSDGsを調べ学習に導入することで、世界へ目を向け問題を発見する力・必要な情報を自ら調べて選択する力・正解のない問題に立ち向かう力がつくでしょう。

今後は入試でSDGsを扱う問題設定が増える可能性も高く、進路選択にも役立ちます。

【小学校低学年向け】調べ学習におけるSDGsのテーマ例

小学校低学年向けのテーマ例として、以下の3つがおすすめです。

<SDGsのテーマ例(小学校低学年向け)>
・ペットボトルキャップで世界の子どもにワクチンを届けよう(目標3)
・身近な「男女の違い」を調べてみよう(目標5)
・自分の町の住みやすさを調べてみよう(目標11)

それぞれ、3つのステップをお伝えしましょう。

ペットボトルキャップで世界の子どもにワクチンを届けよう(目標3)

・ペットボトルキャップが再生原料になるまでの流れを調べる
・ペットボトルキャップの回収業者を調べる
・ペットボトルキャップを収集して回収業者へ送る

当然のように廃棄しているものを使い、他人の命を救えることが学べます。

身近な「男女の違い」を調べてみよう(目標5)

・ランドセルの色について話し合う
・身近にある男女の色分けを調べる
・自分の好きな色を見つける

当たり前に行われている色分けに疑問を持ち、ジェンダーについて考えるきっかけを作れます。

自分の町の住みやすさを調べてみよう(目標11)

・自分の町にどんな人が住んでいるか考える
・自分とは違う立場の人の目線で町を歩く
・住みやすい・住みにくいと感じた場所をマップにまとめる

お年寄りや特別な支援を必要とする人の視点を知ることで、日常に溶け込んでいる工夫や改善すべき箇所を見つけられます。

【小学校高学年・中学生向け】調べ学習におけるSDGsのテーマ例

小学校高学年~中学生に向いた調べ学習は以下のとおりです。

<SDGsのテーマ例(小学校高学年・中学生向け)>
1.自宅の食品ロスを測定してみよう(目標2)
2.廃油でせっけんを作ってみよう(目標12)
3.海岸ゴミと海の生き物について調査しよう(目標14)

順番にステップを確認していきましょう。

自宅の食品ロスを測定してみよう(目標2)

・食品ロスの内訳を調べる
・自分の家庭から出た1週間の食品ロスを調べる
・食品ロスの内容と量をまとめる

身近に潜んでいる問題を把握できるほか、食育の一部としても活用できます。

廃油でせっけんを作ってみよう(目標12)

・年間に廃棄される廃油の量と処分方法を調べる
・身近な廃油のリサイクル方法を調べる
・家庭で出た廃油から廃油せっけんを作る

実用的な実験を兼ねられることもメリットの1つです。

海岸ゴミと海の生き物について調査しよう(目標14)

・海洋ゴミの種類と量を調べる
・海洋ゴミが海の生き物に与える影響を調べる
・自宅や町から出る海洋ゴミをまとめる

被害の実例を知ることによって、地球環境について考える機会を増やせるでしょう。

SDGsをテーマにした調べ学習の進め方

調べ学習を進める際は、以下のポイントや流れを意識することが大切です。

<SDGsをテーマにした調べ学習の進め方>
1:SDGsについて知る
2:調べる「目標」を決める
3:校外学習や生徒の日常生活から、SDGsに関連することを見つける
4:情報を集め、整理・分析する
5:まとめて、発表する

順番にチェックしていきましょう。

1:SDGsについて知る

まずはSDGsの重要性を生徒に伝えます。子どもに関連するテーマを強調することで、生徒はSDGsを自分事として捉えやすくなるでしょう。

2:調べる「目標」を決める

17の目標の中から、どの目標について調べ学習するか決めましょう。先生が押し付けるのではなく、児童や生徒自らが決めることにより、主体的な教育を実現させられます。

3:校外学習や生徒の日常生活から、SDGsに関連することを見つける

校外学習を通して実体験からSDGsについて学んだり、日常生活からSDGsに関連することを見つけたりすることも大切です。「遠い世界の話」ではなく、「自分自身の意識の持ち方で変えられることがある」という気づきを与えられます。

4:情報を集め、整理・分析する

本・新聞・雑誌・インターネット・データ集(統計資料集・白書)などから情報を集め、整理・分析しましょう。ただし、特にインターネットには偽の情報が紛れやすいことに注意しなければなりません。フェイクニュースをつかむことがないように、信頼できる情報源のデータを活用することが大切です。

5:まとめて、発表する

調べ学習において重要な要素の1つが協働です。調べるだけ、レポートを提出するだけで完結させずに、発表する機会も設けましょう。多くの意見を取り入れながら議論を深めることで、生徒の主体性や思考力、問題解決能力をより深めやすくなります。

まとめ

SDGsは小学生、中学生、高校生にとっても重要な学習のテーマになっています。調べ学習との組み合わせも有効で、正解のない問題に立ち向かう力をつけることが可能です。

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