川崎市は、全国でも早い時期から情報教育の重要性に注目し、熱心に取り組まれてきた自治体の一つです。「ブリタニカ・スクールエディション」を市内全域の小中高で導入頂いてから5年、導入のメリットなどについて、川崎市教育委員会情報・視聴覚センター指導主事の福山創様、草柳譲治様にうかがいました。
ICT教育先進自治体・川崎での導入から5年
――川崎市では、早くから教育の情報化に向けて取り組まれてきたと伺っています。
そうですね。川崎市では比較的早い段階から調べ学習の重要性に着目して、ICT活用に関する研究を熱心に行っていました。逆にいえば、ICTによる調べ学習の難しさに直面していたとも言えます。
学校関係者ならお分かりだと思いますが、一般のウェブサイトには雑多な情報が飛び交って、子どもたちが安心安全に必要な情報にたどり着けません。かつては調べ学習のために、関係するウェブサイトをまとめた「リンク集」を各教員や各学校レベルで作成していました。
川崎市では2000年頃、今から20年以上前にそのリンク集を作成した先生がおられて、それを契機に、私ども情報・視聴覚センターが中心となって、ICT活用のあり方を模索してきました。
――川崎市がICT導入をうまく進めてこられたポイントは何だったのでしょうか。
その研究活動に、ICTに詳しい先生方だけでなく、学校図書館の運用に詳しい先生方にも一緒に入っていただいた点です。ウェブサイトを利用しての調べ学習も、辞典や本、資料を利用した調べ学習も、自分の欲しい情報にたどり着く方法は同じですので、そのノウハウを十分に活かせたと思います。
選定理由は、ブリタニカの安心と信頼性
――「ブリタニカ・スクールエディション」、ご導入頂いて5年ほど経過しました。
ありがとうございます。以来、大変活用させていただいています。2020年、国の進める「GIGAスクール構想」で1人1台端末の導入を川崎市も進めてきましたので、それによって一層使用頻度も増えました。
今回の新型コロナウイルス感染症によって公立学校は臨時休校となりましたが、そうした中でも、各家庭でこの「ブリタニカ・スクールエディション」を使用した学びの保障ができて、大変よかったと思います。
――他社の商品も比較されたと思いますが。
そうですね。ただ、CD-ROM形式のものや、あるいはアクセス権が限られていない方が使いやすいです。
――「ブリタニカ・スクールエディション」選定の決め手となったのは何だったでしょうか。
なんといっても安心と信頼性、質の高さですね。ブリタニカといえば百科事典。コンテンツの多さ、洗練された情報という意味では、他に比べて大変際立っていると感じました。
それは同時に、二次利用のしやすさにもつながります。それぞれの情報の一部を切り取ってまとめる、あるいは子どもたちの作成したものを安心して配布、出展できる。これは、実は教育現場としてはかなり重要なポイントです。
アクセスのしやすさ、軸の通ったコンテンツ
――実際に使用されてのご感想はいかがでしょうか。
一般のウェブサイトとは違い閉じられたサイト内ではありますが、先ほど申し上げたように、情報は非常に信頼性高く、また大変豊富です。気になった言葉や内容があれば、ネットサーフィンのようにリンク先へと飛び、次々と深掘りしていける。知識がずっとつながって入ってくる。学びの連続性、あるいは子どもたちの学ぶ意欲という面で、非常に役立っていると思います。
川崎市では独自に、川崎という地域に関する内容も盛り込んでいただいていますし、特に感じるのは、この「教育コンテンツポータル」のトップページに、キラーコンテンツが20個ほど設けられていますが、これが非常によく練られているということです。地域の情報、より広い情報から、徐々に絞られたテーマに下りていく。情報の入り口部分から、底の深い世界にうまく誘導していってもらえます。
学校現場では、ともすると単元主義に陥りがちですが、「ブリタニカ・スクールエディション」では、まず“場面”に着目していただいています。これは教員にとっても大きな“お助けツール”になっていますし、非常に整理されていて、軸が一本通っているとでも言いましょうか。アクセスしやすいのが大きなポイントだと思います。
あと、ブックマークを付けたりもできますよね。こうした機能も大変便利です。
長く使い続けたいICT教材
――今後はどのようにご活用されていきますか。
現場では、やはり子どもたちに自らワードを入力して、調べたい内容を検索させたいので、様々なキーワードや文章から知りたいことにたどり着けるといいなと感じています。ですから、百科事典が何年かに一度改訂されていくように、情報の中身や検索機能を常に更新していっていただければありがたいですね。
百科事典も同様ですが、非常に深い専門知識は、やはりそれなりの専門書を読まなければなりません。紙ベースの教科書から、紙ベースの専門書へ、その間をつなぐハブとしての機能を果たすものとして、学校現場では長く使い続けたいICT教材です。
ブリタニカ・スクールエディションは、小学校、中学校など教育機関で利用されているオンライン百科事典です。