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【探究・知識を深める】インターネット誕生から50年【第1回】最初のインターネットってどんなだった?

  • ブリタニカ・ジャパン

 

今では存在しないことなど想像できないくらい生活に密着して使われているインターネット。身近なところではパソコンやスマートフォンなどはインターネットが利用できることがあたりまえですし、今後はあらゆる機械や装置がインターネットにつながるIoT(モノのインターネット)の時代がやってきます。
初めてインターネットでコンピュータ同士がつながったのは、今からちょうど50年前の1969年10月29日でした。インターネットはどうやって始まり、進化してきたのでしょうか。世界中をつなぎ、進化し続けているインターネットの歴史をひもといていきましょう。

もともとインターネットは、アメリカ合衆国国防省の国防高等研究計画局 (Defence Advanced Research Project Agency<DARPA>)によるパケットデータ交換という新しい通信の基礎研究をもとに始まりました。パケット交換というのは、データを小さなブロックごとに分割して、異なる機器の間でやりとりできるようにする技術で、当時の電話で一般的だった1対1でつなぐ回線交換と比べて、パケット交換のほうが故障への耐性やネットワークの効率利用がはかれるというメリットがあると考えられました。

記念すべき、世界で最初のネット通信で送受信されたものは……

1969年10月29日、アメリカ国内のカリフォルニア大学ロサンゼルス校 UCLA、スタンフォード研究所 SRIが、離れた四つのコンピュータ同士をつないで、初めての通信を行ないました。しかし、UCLAの学生がSRIのシステムにログインするため「LOGIN」の「LO」を送ったところでシステムダウンし、実験は中断されます。つまり、インターネットで初めて送受信されたのは、アルファベットの「L」と「O」の文字だったのです。

のちに、この2ヶ所に、カリフォルニア大学サンタバーバラ校 UCSB、ユタ大学を加えた四つの拠点をつなぐネットワークとしてARPANET(アーパネット)が生まれました。このARPANETがインターネットの祖先です。

商用化までの道のりは長い
1969年には、アメリカの通信会社 AT&Tのベル研究所でコンピュータの新しいオペレーティングシステム、UNIX(ユニックス)の開発が始まりました。

UNIXの普及と揆を一にするように、ARPANETにはアメリカの大学や研究機関を中心に多くのコンピュータがつながるようになり、パケット通信の研究が行なわれていきます。

インターネット internetとは、複数のネットワーク同士をつなぐことを意味する “internetworking”の略称で、1980年代に「ネットワークのネットワーク」として “the Internet”と呼ばれるようになるのです。ですが、当時は大学などでの研究目的が大半で、商用利用が行なわれるようになるのは1990年になってからのことです。商用化されたことで、インターネットは爆発的に拡大し、世界を大きく変えていくことになるのです。

その後のインターネット発展の歴史は【第2回】に続きます。お楽しみに!

年表

1969年AT&Tのベル研究所でコンピュータ用のOS「UNIX」が開発される
1969年10月カリフォルニア大学ロサンゼルス校 UCLA、カリフォルニア大学サンタバーバラ校 UCSB、ユタ大学、スタンフォード研究所 SRIeの4拠点をつなぎ、ARPANETが始まる
1973年9月アメリカ国防高等研究計画局 DARPAのロバート・カーンと、スタンフォード大学のビントン・サーフにより、現在インターネットで広く使われているプロトコル「TCP/IP」の最初のバージョンが発表される
1983年6月アメリカ国防高等研究計画局 DARPAのロバート・カーンと、スタンフォード大学のビントン・サーフにより、現在インターネットで広く使われているプロトコル「TCP/IP」の最初のバージョンが発表される
1989年世界初の商用インターネット・サービス・プロバイダー ISP、PSINetが設立
1989年3月ヨーロッパ原子核研究機構 CERNの技術者ティム・バーナーズ=リーが、HTML HyperText Markup Languageの原形となる提案を公開
1990年2月ARPANETの運用が終了

ARPANET (アーパネット)や UNIX(ユニックス) など、インターネットの成り立ちについてもっと詳しく調べたい方は、ブリタニカ・オンライン・ジャパン(日本語)または、Britannica School(英語)をご覧ください。


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