台風などによる洪水、地震、津波など、日本は自然災害の多い国です。ここ10年を振り返っても、東日本大震災(2011年)、熊本地震(2016年)、平成30年7月豪雨(2018年)、令和元年東日本台風(2019年)など、多くの死傷者・行方不明者を出すさまざまな自然災害が起こりました。
最近では、学校で防災意識を高める教育がさかんにおこなわれるようになり、自然災害や防災の取り組みについて学ぶ授業が増えているようです。
家に防災グッズを備えたり、食料を備蓄したりしている人も多いかもしれませんが、自然災害が起こったときに自治体から出される避難情報が変わったことを知っている人は、どのぐらいいるでしょうか?
さて、ここでクイズです。
この3つのうち、現在使用されていない避難情報はどれでしょう?
その意味が直感的に理解できるよう、2021年5月に避難情報が大幅に変わりました。
まず、「避難勧告」という区分は廃止され、「避難指示」に一本化されました。ちなみに変更される前まで、「避難指示」は「避難指示(緊急)」という名称でした。避難情報としては、「避難指示(緊急)」のほうが「避難勧告」よりも危険性の高いことを表していたのですが、この2つはどちらも災害発生の危険度を表す「警戒レベル」の「4」に該当し、区別がつきにくいという意見が寄せられていました。そこで、2021年5月には「避難指示」という区分のみが残されました。
また「高齢者等避難」は、以前は「避難準備・高齢者等避難開始」という名称でした。古い区分では「被災する可能性のある地域の住民は避難の準備をする」という意味と、「避難に時間のかかる高齢者などは避難を開始する」という両方の意味があり、避難情報が誰に向けられた、どのような内容なのかがわかりにくいという問題がありました。実際、避難するタイミングが国民に的確に伝わっていなかったようで、特に高齢者の災害時における逃げおくれが依然として目立っていました。こうした理由から、今回の見直しで、避難に時間がかかる高齢者などへの注意喚起を直接的に促す「高齢者等避難」という区分に変更されたのです。
というわけで、クイズの答えはイ)です。
小中学校向けデジタル教材『ブリタニカ・スクールエディション』では、上記の避難情報のほか、「避難訓練」「ハザードマップ」「災害用伝言ダイヤル」ほか、防災に関する項目を多数収録し、わかりやすい言葉で解説しています。自然災害に関連した写真や図版も豊富に掲載しています。学習教材として、また生きて役立つ情報の源として、ぜひご活用ください。
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