確かに近年の人手不足は深刻です。下のグラフは、経済産業省がおこなった「コンビニ調査2018」のなかの、「従業員は足りていますか?」という質問に対するオーナーの回答です。「不足している」と回答した人の割合は、2014年度に22%だったのが、2018年度には61%と、大幅に増えています。ここ数年で、人手不足が急速に進んだことがわかりますね。実際に、編集部があるオーナーに話を聞いてみたところ、「コンビニ経営でいちばん苦労するのは、24時間働き手を確保することだ」とおっしゃっていました。
一方、深夜に働く人の代表として、タクシーの運転手さんにも取材をしました(→【動画】タクシーの運転手さんにインタビュー〈深夜のコンビニの利用について〉)。 「24時間営業でなくなったら困る!」というのが、真っ先に聞かれた声でした。タクシーの運転手さんにとってのコンビニは、買い物だけでなく「勤務中にトイレを借りる」という目的でも、なくてはならない存在のようです。(また、これは裏話ですが、コンビニは、泥酔客が車内を汚してしまったときの駆け込み寺でもあるようです。)
まったく視点を変えて、環境面からみると「コンビニの24時間営業」はどうなのでしょう? 次に示したのは、食品業界から出る食品廃棄物の量を示したグラフです。断トツで多いのがコンビニですが、食品ロスを減らすには、24時間営業を続けたほうがいいのか、やめたほうがいいのか、どちらなんでしょう? この機会にみなさんも考えてみませんか?
小中学校の授業を支援するデジタル教材『ブリタニカ・スクールエディション』の協働学習コンテンツ(コンビニは24時間営業であるべきか?)では、「利用客」「働き手」「お店側(オーナー)」「環境」「安心・安全」というさまざまな視点・視座で、「コンビニは24時間営業すべきかどうか」について考える資料をそろえています。
開発協力いただいた小学校の先生によると、このテーマは、数年前に実践した国語の話し合いの授業のときに、子供たちがいちばん盛り上がったテーマだそうです。子供たちは、いま私たちが直面している未来を予測していたのかもしれませんね。
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ブリタニカ・スクールエディションは、小学校、中学校など教育機関で利用されているオンラインのデジタル教材です。